みなさんは、「ウーマノミクス」という言葉を知っていますか?
ストラテジストのキャシー・松井さんが、1999年に提唱した
「Woman(女性)+ Economics(経済)」の造語です。

今、このウーマノミクスが、日本社会で脚光を浴びています。
その背景には、急速に進む少子高齢化があります。
日本の総人口は2055年までに30%減
出生率は2005年水準の40%に低下し、
生産年齢人口は半減する見通しです。(注1)
労働力が低下すると、国の経済活動が停滞して、
社会全体に活気がなくなってしまいます。

では、どうやって労働力を補えばいいのでしょうか。
そのカギを握るのが、「女性の社会進出」です。
日本では、家庭に埋もれている女性が社会に出て活躍することで、
労働力が上がり、家庭の所得が増え、消費にもつながる―という
好循環をもたらすと考えられているのです。

世界経済フォーラムが毎年、公表している
「ジェンダーギャップ指数」による世界ランキングがあります。
ジェンダーギャップ指数とは、
社会進出や政治参加などにおける、男女格差をあらわすもの。
2012年の日本の順位は、世界135か国中101位で、
東南アジアやアフリカ諸国と肩を並べています。
世界の中で見ても、日本は男女平等がずいぶん遅れた国だといえます。

日本において、女性の社会進出を妨げてきたものとして、
家庭における役割分担、仕事や職場の在り方、
女性自身の意識、法律や制度など、さまざまな要因が考えられます。
他国と比べて、特に顕著な日本の特徴は、
25~44歳までの女性労働人口が少ないということ。
というのも、日本人女性のおよそ70%が、
第一子出産後に退職しているのです。(注2)
これは、米国やドイツ、スウェーデンなどでは見られない傾向です。

結婚・出産後も女性が社会で働き続けることによって、
労働力不足が解消し、男女間の雇用格差が埋まり、
職場や社会に新しい風が吹き、出生率も上がる。
経済成長率が改善すれば、雇用が安定して、消費も回復する―。
女性の労働力が、これからの日本の経済成長に果たす役割は、
極めて大きいといえます。

そのためには、制度だけでなく、一人ひとりの意識改革が必要です。

男性も女性も社会で活躍し、お互いを尊重して、
だれもが生き生きと自分らしく暮らせる日本へ。
人びとが幸せと豊かさを享受し、活気あふれる社会を作るためのキーワード、
それがウーマノミクスなのです。

(注1、注2 参考資料 ゴールドマン・サックス社発行「ウーマノミクス最新報告:待ったなし」)